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良い睡眠をとるために



 

執筆者:山内恵理子(BANSO-CO ばんそうメイト)

保有資格:臨床心理士・公認心理師

 

「眠れない」悩みは人それぞれ

「ぐっすり心地よく眠りたい」

毎日を忙しく過ごす多くの現代人に共通の願いかもしれませんね。


睡眠が一般的な状態でなくこれによってさまざまな社会生活機能の障害が生じる状態を睡眠障害と言いますが、実は、睡眠障害を細かく見ていくと、約80種類に分類されるほど種類が多いのです国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター睡眠障害ガイドラインより)


睡眠不足の原因も、試験前の徹夜といった一次的な睡眠不足から、ストレスや不安による場合や、加齢による場合、睡眠時無呼吸症やむずむず足症候群などの身体の病気による場合など、かなり幅があるとされています。

一言で「眠れない」と言っても、その状況は人それぞれかなり異なります。


あなたの睡眠の調子は今どのような状態ですか?

下記のようなことはありませんか?


・寝つきが悪い

・夜中に何度も起きる

・明け方早くに目が覚めてしまう

・場所が変わると眠れない

・疲れている時ほど目がさえて眠れない

・ぐっすり寝た気がしない


そして、眠れないことによって生じる生活の困難さも、人によって様々です。

あなたの日中の調子は今どのような状態ですか?

下記のようなことはありませんか?


・仕事や勉強で集中しづらい

・昼間に眠気が出てぼーっとする

・考えがまとまらない

・マイナス思考になる

・ケアレスミスが増える

・お酒やコーヒーの量が過剰に増え



睡眠は自分を回復させるための大切な「活動」

睡眠や休養は、自分自身のパフォーマンスを安定して発揮するためにも、重要な「活動」であると思います。寝て休んでいる時間を何もしていない時間と捉えるのではなく、次の課題に適切に取り組むために必要な「活動」と考えてみると、睡眠をうまく取れないことは実はとても大きな問題ではないでしょうか。


仕事に家事、育児、介護、趣味等々、日々課題に追われて忙しく過ごしている方こそ、ご自身に合った睡眠リズム・睡眠習慣を身に着けることを意識してみるのもよいと思います。



生活習慣の見直しは安眠への近道かも?

質の良い睡眠を取るためには、寝る時の対策だけでなく、起きている時の生活習慣を見直すことが効果的な場合が数多くあります。生活習慣を整えていくことは回り道のようでも、実は「安眠」への近道であり、心身のバランスを安定して保つために非常に重要です。


例えば以下のような方法を試してみるのもよいでしょう。


・たばこ、カフェイン、アルコールは控える

これらの物質には覚醒作用があるため、睡眠の妨げになります。


・寝床で過ごすのは寝る時だけにする

(ベッドや布団の上でダラダラと時間を過ごすのをやめる)

寝ていないのに寝床にいる時間が長いと、睡眠の質が下がると言われています厚生労働省 2023ほか)。        


・寝る1時間前になったらテレビ・スマホは見ない

音や光は睡眠の妨げになります。寝る準備として少しずつ音や光を減らしていくとよいでしょう。


・朝、日光を浴びる

良い睡眠リズムを作るために体内時計を整える必要があります。日光を浴びることは体内時計をリセットする効果があります。


ちなみに、寝不足を解消しようと思うあまり、寝る前に市販の睡眠薬やアルコールを利用する人も多いようですが、これはあまりお勧めできません。一時的には眠れることがあっても、長期的には余計に眠りが浅くなったり、薬やアルコールへの依存が問題になるリスクがあります。

長く続く不眠状態が日中の生活にも大きく支障を及ぼしている場合は、睡眠外来や心療内科など専門医療機関への受診をお勧めします。



生活習慣やストレスの点検に一緒に取り組みましょう

「心地よく眠りたい」「疲れを取りたい」とお望みの方は、まずは生活習慣を振り返ってみるのもよいと思います。生活習慣は自分では当たり前になりすぎていて、このまま続けた方がいいのか、あるいは改善したほうがよいのか、分かりにくい場合があります。同じように、日々積み重なっているストレスの影響は、自分一人では気づきにくいこともあるでしょう。


そんな時は、ばんそうメイトと一緒に生活習慣や日々のストレスの点検をできるとよいかもしれません。年度末に向かう忙しさや寒さからくる疲れを癒して、活き活きと新しい年度をスタートさせるためにも、「質の良い睡眠を取るための対策」を始めてみてはいかがでしょうか。


 

この記事を書いたのは、臨床心理士・公認心理師の山内恵理子です。

<専門分野・得意領域>トラウマケア、発達障害、精神疾患、メンタルヘルス、親子関係、アンガーマネジメント、育児、ストレスマネジメント


睡眠や生活習慣について改善したいことや困りごとがある方は、ぜひBANSO-COの専門家ばんそうメイトにお気軽にご相談ください。



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